アベノミクスの影響で最高水準の業績を上げる企業がある一方、なかなか景気回復を実感できないという方も少なくありません。自分の勤める会社は大丈夫なのだろうか、解雇を言い渡されないだろうかと心配する方もいるかもしれません。
しかし、日本には従業員を解雇から守る法律がきちんとあります。今回は正社員の解雇に関する法律についてご紹介します。
解雇には普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の3種類があります。
普通解雇は従業員の仕事の成績が悪く、企業側が十分な教育を提供したにもかかわらず能力が向上せず、適性がないとみなされるとき、企業が従業員との契約を解除(解雇)することです。普通解雇の場合企業は解雇の30日以上前に通告する必要があります。解雇される理由にもよりますが、普通解雇の場合、通常よりも退職金が少ないことがあります。
懲戒解雇は従業員が企業に大きな損害を与えたとき、制裁として企業が従業員を解雇することです。この場合、解雇までの猶予や退職金が与えられることはまれです。
整理解雇は企業の業績が悪化し、人員を削減する以外に倒産を免れる術がないときに行われる、いわゆるリストラです。大手企業の中には整理解雇をする際に退職金を上積みする場合もあります。
解雇の際に問題となる点が解雇の妥当性ですが、普通解雇は企業にとって解雇のハードルが高いといえます。なぜなら、従業員に適性がないことを客観的に示すことが困難なためです。
労働契約法第16条には、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とあります。裁判に持ち込まれた場合、裁判所は労働者側に立った判断をすることが多いようです。
解雇された従業員は裁判所に解雇が妥当かどうか判断するまでの数カ月間、企業に賃金を仮払いするよう申し立てを行うことができます。裁判に負けた場合、企業はこの仮払いと裁判中の給与を従業員に支払う必要があります。
このようなリスクがあるため、企業は通常、解雇という方法を用いません。退職させたい従業員と話し合いの場を設けたり、退職金の上積みを提案したりして自主退職を促します。
しかし、従業員を解雇することは合理的な理由がない限り、なかなか難しいものです。退職勧告を受けており転職を考えている方も、次の転職先が決まるまで企業に残るという選択肢も頭の片隅に置いておきましょう。企業の説得に応じて自主退職すると、失業保険の給付期間が会社都合の場合よりも短くなるデメリットもあります。
解雇されたり、自主退職を迫られたりした場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。そのようなときは1人で悩まず専門家に相談するのが一番です。企業に労働組合がある場合には労働組合、組合がない場合には個人で加入できる労働組合に相談してください。
また、場合によっては弁護士に相談するのも良いでしょう。トラブルに巻き込まれたとき、弁護士は心強い味方です。法テラスや初回無料の相談所も利用してみましょう。
労働基準法第22条では、企業が解雇を言い渡す際、労働者から解雇理由についての証明書を請求されたときは、企業は証明書を労働者に交付しなければならないと規定しています。証明書を入手しておくと、弁護士や専門家に説明する際に便利です。
現在の法律では企業の都合だけで正社員を解雇することが、いかに難しいかということをご理解いただけたでしょう。
仮に離職するとしても、転職先が決まるまで企業に残るという選択肢もあります。企業が退職を勧奨してきたときには、まずは労働組合や専門家に相談してください。
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